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名作を聴く ブラームス交響曲第一番と第二番

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のだめもチンプンカンプンだったアナリーゼ。主題や動機の構成、転調、対位法的な展開云々‥‥。CDの解説書にも載っていますが、何のことやら。その言わんとするところは聴いた「感じ」で済ませます。気になるのは「この曲の誕生の物語」。

ブラームスの交響曲第一番。書いては破り、書いては破りを繰り返し、ようやく彼自身が世に問うことを許したときには20年を超える年月が過ぎていたという渾身の交響曲。第一楽章の出だしは、アンバランスな精神状態ではとても聴くに耐えないほど重厚な音が響きます。ハンブルグの貧民街で生まれ育った劣等感と実際に受けた不当な扱いによって傷つき、恩師シューマンの壮絶な最後に立ち会う一方で、シューマンの妻クララに想いを寄せ‥‥ブラームスのさまざまな苦悶が、最初の交響曲をこうさせたのでしょう。

これに反して、第一番の一年後に驚くべき速さで完成した第二番は、光に満ちています。最初から最後までとにかく優美。創作中のブラームスの心境は友人に宛てた手紙に現れています。「ペルチャッハ(創作した避暑地)は信じられないほど美しいところです。この地ではメロディーがとめどなく生まれてくるので、僕は散歩の時にそれを踏み潰さないように用心しなくてはなりません」

第一番と第二番の違いに驚き、でもこの順序であったこと(苦悩の果てには喜びがあったとう事実)に救われる思いです。

「音楽とは、バッハやベートーベンが目指したように、もっとも高尚な魂の叫びである」
このブラームスの信念によって作り出された曲には、彼の魂の無数の在りようが見て取れます。そして、それでいいのだと納得させられます。人生には「最悪…」も「有頂天!」もあって、そのつど泣いたり笑ったり。魂は揺さぶられるもの、だと。

ブラームス!!

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