手紙 心を寄せるという行いが生むもの

郵便受けに便りの気配があるのが好きです。
初めての一人暮らしはフランスのナンシーという町で。
学生寮の管理人がドアの下の隙間から郵便物を滑らせてくれました。
アパート暮らしに変わると、
時に水溜まりで降りて行けない中地下の小さな中庭に並ぶポストを確かめるのが日課でした。
あの頃は手紙をよく書きました。
書くことで内省していたのだと後になって気付きました。
書く相手はたいてい同じ男の人だったのに、中身はまったく色気のないもの。
男である、女である前に「ひとりの人間である」事実を素通りする・
されるのはおかしいと感じていた二十歳。世界(自分以外のあらゆるもの)と自身に対して次々に涌く問いを無視できずにいたものだから、恋する乙女であった試しがありませんでした。
筆無精だからと彼から返事はほとんど来ませんでしたが、
あの頃のわたしにとって考えをぶつける存在がいてくれたこと、
そしてそれが一方通行だったことにも深い意味があり、必要なことだったとわかります。
今となっては音信不通となったその人に感謝を送ります。
手紙を書く相手がいる。
運ばれてくる手紙がある。
思いを寄せ合うという幸せな行い。
どれにも愛が詰まっているのです。
今日、遠く離れた友人より手紙が届きました。
雪が降ったこと、厄年だということ、コーヒーは体を冷やすということ…。
つながっている空の下で厄年を気にかけつつ暮らす友人の姿を思います。
ということは…来年わたし厄年?
JUGEMテーマ:癒し・ヒーリング
- 2010.01.22 Friday
- セルフヒーリング・癒し・引き寄せ
- 21:53
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- by ふくみみうさぎ